このシーズンも毎週楽しみました。
全体を見渡して、素晴らしいと思うのは、
シーズン全体の構造がきちんと組み立てられていることです。
( ERは、ときどき、
いきあたりばったりだなあと思うことがあります。 )
最終年度に向けて、
大統領は、ややあせりぎみと思えるほどに、
成果達成を急ぎますが、
遂に病気が発現し、悪戦苦闘が続きます。
一方、
サントスは、ジョシュのサポートのもと、
一泡沫候補から、表舞台へ駆け上り、
民主党大会の乾坤一擲のスピーチで、
大統領候補の座を獲得する。
そのなかで、
レオの病気、
大抜擢のCJの苦闘などが
印象深く彩られる。
やや不満が残ったのは、
大統領の病気に時間をを割きすぎているのではと
思ったことです。
大統領のスタッフを描くために作られた、
このドラマですが、今では、
バートレット大統領はまぎれもなく
このドラマの主人公ですので、
それも納得できるのですけど。
( 奇しくも、サントスとヴィニックは、
ジェドの病気隠しを擁護したことが、
共通点です。
大統領は、世界のリーダーのひとりであると同時に、
ひとりの人間でもあることを知っている、
それが、
バートレット大統領の後継の資格なのかもしれません。 )
政権とサントスチーム、
ふたつのストーリーが隔週ごとに語られるのは、
構造上やむをえないことかもしれませんが、
今までのシーズンでのとても重要な要素が
今シーズンで大きく損なわれました。
バートレット政権チームの一体感です。
レオが主席補佐官を降り、
ジョシュ、ドナが政府の仕事から離れ、
ウィルは選挙の仕事に専念し、
チャーリーは秘書でなくなり、
役割がエド&ラリーと同じになって、
トビーの仕事もどこか中途半端でした。
サントスのストーリーを立ち上げる、
物語の構造としても、
ジェド政権終了後を見据えた、
各登場人物の想いを描写するうえでも、
ある程度やむを得ないところだと思うのですが、
あの素晴らしいチームが、
それぞれの道を歩き始めることについて、
もっと納得感のあるエピソードが観たかった。
なんとなくもの足りなく、
今まで観続けてきたからこその淋しい想いを感じました。
例えば、もっとジョシュに焦点をあてて、
彼がサントスに魅力を感じた一方で、
ジェドとレオが病魔に倒れ、
苦闘するジェド政権チームから離れることの
ジレンマに悩むところをもっと観たかった。
そうすることで、
もっと各人の行動に説得力が出たのではないでしょうか。
ジョシュは、
ドナの現状の不満に全然気づかなかったわけですが、
結果的にふたりの選んだ道には共通性があったわけですし、
選挙活動はあまり好きでないCJや、
今まで数々の活躍でタッグを組んできたトビーとの相違など、
( ジョシュとトビーが組んだ、
最強の選挙参謀チームを見てみたかったですね。 )
もっと深く観てみたいエピソードがあります。
このあたり、
各登場人物を展開させるために最低限の描写に止まった感があります。
そのためには、
大統領の病気のエピソードを
もう1話分くらい短縮する必要があるように思いました。
( ジェドの次には、レオのお話が多くなっていて、
ジェドの影法師のように一心同体で活躍していた彼が、
意見が相違し、首席補佐官から離れ、
副大統領候補として独立した政治家として表舞台に登場する。
最終回のジェドとレオの横顔のショットは、
その結末を示したものなのでしょう。 )
ともあれ、
次のシーズンで完結です。
楽しみです。